君は星

2.アリエナイ

…ヤだなぁ…。

私は、木田 更莉(きだ さらり)。

何か、見られてる感じがする…。

…私、ヘンなカッコしてるのかな。

更莉は、ファミレスで一人、ドリンクバーを利用しながら、友達に借りた世界史のノートをひたすら写していた。

先ほどその子に持ってきてもらったのだ。

途中で一度写さなくなってしまうと、一度そこまで完璧に写さない限り、ズルズルと写せなくなってしまう。

そうなって約2ヶ月。
しかも明日に提出。
突然言われたのだ。

…私、視線感じたときとかは、基本、目ぇ合わせないように、ひたすらうつむいとくんだよねェ。
だって、気まずくない?

視線が痛い。

息苦しい。

かと思えば、近くなる足音と、陰。

…え?もしかして、クラスの子かなぁ?
近付いてくるってことは…。

ま、いいや。
声かけられたら、そんな風な対応すればいいんだし。

ポンポン。

肩を叩かれた。
間違いない。
知り合いだ……

「すみません。」

あれ?

聞き覚えのあるような、ないような…。

調度良い高さの、優しい声。

…だが、それは少なくとも、女友達の声ではなかった…。

視線と、顔を上げた。
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