君は星
そこには、まるで、夢の出口みたいな景色が開けていた。

私たちは外に出た。

「ね、どっかで冷やそう?」

「え…大丈夫だよ。よくやっちゃうことだし。」

実際、もう赤みは引いているようだった。

「それよりさ、コーヒーカップ、乗らない?」

「え、でも…」

「いいから、行こ!」

そい言って、爽は、私の手を引いて、かけ出した。

「ちょっ…!」

そして、私は手を引かれながら、ふとさっきの台詞を思い出した。


"この世界には、僕ら二人しかいないみたいだね"


"ミラーに嫉妬されちゃったのかも"



そのせいなのか、走ってるからなのか、私は急にドキドキしてきてしまった。

―…多分、他の人にこんなこと言われたら、覚めちゃうんだろうな…。きっと、ドキドキしてしまうのは、爽だから…。



「いくよ!!」
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