冷たい風に打たれて
風華様は何も欲しがらない
生きる為の食事も自ら望んではいなかった
予定がない日は何もせずに部屋から空ばかり見ている
それが最近、風華様から学校へ行くと、自ら外出するという言葉まで出てきた
何か高校でいい事があったのか無表情の中にも憂いがあるのが解る
私は風華様の何も役には立たないのも解っている
しかし、あの時の笑顔の様に高校では笑えているのかと考えると嬉しい反面
その笑顔は私だけに向けて欲しいと…
「欲張りになったな…。」
「神谷?何か言った?」
「いえ。何でもありません。」