Salvation 〜救い〜
あの・・・



わたしは

また少し

別のことを

聞こうと思った



吉沢俊樹君には・・・

仲の良いお友達なんかは

いましたか?



『トシちゃんはとても大人しい子で ほとんど友達はいませんでした・・・』



『でも、たった一人だけ・・・彼を弟のように可愛がる男の子がいました』



その男の子の名前と連絡先

教えてもらうことはできますか?



『男の子といっても・・・今はもう・・・あなたくらいの年齢のはずだけど・・・。ちょっと待っててくださいね』



その女性は

しばらく

席をはずした



わたしに

その男性の個人情報を

提供することにたいして

責任者に

確認をとりにいったのかもしれない

と思った



戻ってきたとき

彼女の手には

住所録があった



『えーーっとねぇ・・・ 名前は横井俊一・・・ 住所は・・・東京都新宿区○○○・・・ まだこの住所にいるかどうかはちょっとわかりませんけど・・・』



わたしは

その住所をメモして

施設を後にしようとした



別れ際に

その女性は

わたしを見つめて

言った



『青山さん・・・ 保護司さんの代理なんですよね・・・ トシちゃんを・・・ くれぐれもよろしくお願いします。あの子は本当にいい子なんです。間違った道に行ってしまわないよう・・・ 横井君の変な影響とか受けないよう・・・ ご指導してやってください・・・』 
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