倉庫の王様
あたしは先生が好きで、これから先、他の人を好きになるかと言えば、今はわからない。



まだまだあたしの心は先生でいっぱいなのに…。



イブ君とどうにかなるなんて全く考えられない。



「ごめん…」

「意味わかんねぇから」

「好きな人がいるっ…」

「…………だから?」



だからって…。



だから…?



「ごめん?」

「バカか。サチごとき好きになるわけねぇだろ。冗談だ冗談…ってのは…悪いけど冗談じゃねぇや…」

「でも…ごめん…」

「うるせぇ!!お前に俺を拒む権利なんかねぇんだよ!!帰るっ!!」



待ってイブ君…。



あたし…先生が好きなんですけど…。



なんだかイブ君のせいで泣けなくなった。



もっと悲しい予定だったのに…。



先生が苦しいくらい好きなのに…。



この安心感はなに?



「サッチャン!?どうしたの!?」

「あっ…ちょっといろいろ…」

「遊和とケンカでもした?父には黙ってるからね~」



別れたなんて口にしたくない。



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