倉庫の王様
いくら泣いても涙が止まらない。



先生がいつの間にか帰ってしまってて、あたしだけ取り残されてる…。



パッと電気が戻ったのは先生が帰ってから随分経った時だった。



「ホント…バカみたい…」



自分の情けない姿を見て笑えて来る。



脱ぎ捨てた制服を手に取ってバスルームへ行った。



もうあの場所に行くことも許されないのかな…。



朝が憂鬱になりそうだよ。



好きな人に会いたくないって始めて思った。



恋って苦しいだけ。



伝わらない思いなんか初めからナイ方がいい。



それでも先生が好き…。



嫌いになる方法がわからない…。



他に好きな人でも作ったらいいの?



そしたら先生を忘れられる?



今のあたしにはムリっぽい…。



好きだよ先生…。



ブルブル震える携帯をシカトしようかと思った。



だけど相手は親友のヒカリ。



「はい…」

「今日泊めたりしてくれない?」

「えっ!?なぜに!?」



ちょっと嬉しいかも…。


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