倉庫の王様
戸籍なんて大そうなもの見たことないけど、あたしは父の言葉を信じてるから。



だから何も言わない方がいいのかなって思うけど…。



「父はどうしていつもはぐらかすの?」

「そんなにママがほしい?だったら適当に誰か連れてくるよ」

「そんなこと言ってないじゃん!!父のわからずや!!」

「母ちゃんのことはそのうちわかるってば…」



だったら今教えてくれてもいいじゃん!!



もうあたしだって17になるんだよ?



そんなに子供じゃないもん!!



だけどこれ以上父に問い詰めたらケンカしてしまいそうだから我慢する…。



だって今日は先生が来る大事な日だもん…。



朝から少しだけ険悪になったけど仕事に行った父を見送って家事に専念した。



だって少しでもよく思われたいじゃん?



あたしだって女の子なんだもん。



それから晩御飯の買い物。



先生が電話で好きだと言ってたキャベツも買ったし!!


ってかいちばん好きなものがキャベツって珍しい人だよね…。



だから今日はロールキャベツにするんだ!!


あたし、超料理うまいんだからね!!



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