倉庫の王様
廊下に先に出た先生を追うと、壁に寄り掛かって腕を組んでた。



「言いたいことはわかってんだろ」

「はい…」

「なにが言いたい?」

「言っていいの?ここで」

「イヤ、悪い…」

「先生ムカつくんだもん…」



なんかジワッと目頭が熱い…。



なんでこんなので泣くの!?



「お前っ…!?は、腹いてぇの!?そっかそっか!!俺が保健室連れてくから!!」

「えっ!?」

「おい、クラス委員!!龍ヶ崎が体調わりぃから保健室連れてく!!後任せるからな!!」



えっ、えっ、えっ!?



ほ、保健室…?



じゃなくて倉庫だ…。



「泣くとかナシだろ!!俺なんかした?」

「してない…。先生は変わってないし、それが普通なんだけどね…」

「だけど?」

「あたしって性格悪いのかも…。すっごいヤキモチ妬いてる…。少しのことでも気になって…なんかもう…」

「そうスか。そんなに俺が好きか」



ソファーに座ってる先生に顔を覗き込まれて急に恥ずかしさが込み上げた。



好きだよ…自分がわかんなくなっちゃうくらい好き…。



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