倉庫の王様
時間差で出た倉庫に預かったカギをかけた。



開けっ放しが多かったけど、最近はカギをかける。



それは他の誰も入れないため…。



トボトボ歩いて体育館に入るとお色気教師洋子チャンと話してる先生の姿…。



「宮さんと洋子チャンって絵になるよね」

「美男美女だしね。仲良さげだし」

「けど宮さんは誰にもとられたくなぁい!!」



残念だね、先生はあたしのものだよ。



なんてちょっと悪いあたしが出て来てしまった…。



ふたりを見ていろいろ言ってる先輩達の横を通り抜け、自分のクラスの一番前に並ぶ。



「龍チャン、平気なのか?」

「うん、治った!!」

「よかったな!!」



背の順でいちばん前のあたしの隣にいる男のコ。



中学が一緒でいつも最前列をキープしてるから結構共感するとこがあって…。



ちょっと仲良しだったりする。



あたしを『龍チャン』と呼ぶその人は河原君。



女のコみたいにカワイイ顔をした学校のプチアイドル。



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