なんでも屋 神…第一幕
我慢して不味いコーヒーを喉に流し込んでいると、ミチルのマンションを眺めている男に目が止まった。



一葉を店に残して、急いで縞馬柄の歩道橋を渡る。



「こんな所で何してんだノリ。」



ノリはいきなり背後から名前を呼ばれて、肩をビクつかせて振り返った。



「なんだよ、神か…俺は羽尾の尾行だ。お前は?」



[なんでも屋]守秘義務の為、カフェの方を向いて話しを濁す。



「あっちに一葉も居るから、一緒に不味いコーヒーでも飲まないか?」



カフェで一人佇んでいる一葉を見ると、少し怪訝そうな表情を浮かべるノリ。



しかし俺もノリも羽尾を尾行している立場なので、こんな目立つ所に居る訳にも行かず、素直に俺の後を付いてくる。



「今度俺にミニマムって言ったら攫(さら)うからな。」
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