なんでも屋 神…第一幕

少し通りを離れ、殺風景な事務所に置ける物を探す。ここら辺は、中国製の雑貨品や調度品を安く買える。



これがバイクで来なかった理由。幾つか適当に見繕い、捕まえたタクシーのトランクに詰め込んで事務所に戻る。



事務所前で荷物を下ろし、［トレイン］のマスターにコーヒーを注文して、上から降りてくるエレベーターを待った。



エレベーターのドアが開くと、シンプルな黒いスーツを着た女性が一人。



「あ…どうも。」



何故か気まずく感じる、一葉のお袋さんとの対面。


「お久しぶりです。何時も一葉がお世話になってます。あの…昨日あの子に何かあったんでしょうか？何か昨日から様子が変なんです。」



ご丁寧に挨拶された後に、俺の表情が固まる…やっぱり昨日の事かな？



後で一葉に電話してみますと言って何とか切り抜け、逃げるようにエレベーターに乗り込んで一葉のお袋さんと別れた。




一葉に電話するの、気が重いな…。