なんでも屋 神…第一幕
兄ぃに、俺は加わるなと指示を受けたと言う赤城。



俺はその提案をあっさり拒否した。兄ぃなりの気遣いだろうが、この拉致にはミチルの依頼も含まれている。



安全な車の中で、事の成り行きを第三者として見守る訳にはいかない。



そうこうしている間に、羽尾を乗せたタクシーがマンション前に到着した。



マンションから三十メートル程離れた場所に、俺達は居る。



羽尾がタクシーを降りた。手には黒いアタッシュケース…恐らくあれが[三谷組]からの情報料。


タクシーが走り去ったのを確認し、ドアを開けて外に出ようとしたその時、前方に不振な動きがあった。



「待て、何か様子が変だ…。」



俺が車に乗ってから、初めて遠藤が声を出した。その声は静かで暗いが、有無を言わせぬ威圧を含んでいる。



フロントガラス越しに羽尾に目を移すと、物陰から飛び出してきた長身の男。
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