なんでも屋 神…第一幕
何だ…この白い建物。目の前には白亜の小さな宮殿のような家が建っていた。



チラリと門に付いている表札に目を動かす。





      赤星





やはり俺の実家らしい…昔から隣の家と比べると一回りほどは大きかったが、また建て替えやがった。



黒い門を開けて、玄関まで続く5メートル程の道を、整備された庭を見渡しながら歩く。





…違う!こんな事をしてる場合じゃない!お袋だ。



急に思い出したように玄関の扉を開け、直ぐ右手に見えるリビングらしき部屋のガラス戸を開けた。





「やったぁーキター!2ー6よ2ー6馬連!イトさん乾杯しましょ!」



「駄目ですよ奥様。[ヘンゼル]のミルフィーユが有りますので、それで紅茶でも煎れますね。」



リビングに置いてある薄型のテレビには、競馬中継が映っている。予想が当たった事は、自ずと理解出来たが、到底納得は出来なかった。
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