なんでも屋 神…第一幕
タイヤの軋む音を聞きながら通りに出る。



深夜なので車の通りは少なく、思い描いていたルートを順調に走り始めた。



「取り敢えず、これで一安心だな。」



松のその言葉に二人で目出し帽を脱ぐ。ここから目的のアパート迄は、俺の予想じゃ約七時間。



俺も気が休まり、少し固いシートに身を預けて一息吐いた。




「なぁ松…後ろから猛スピードで追い付いて来る車…あの四角いヘッドライト…グロリアっぽくね?」



松もサイドミラーとバックミラーを交互に見比べ、後ろの車を確認する。




「…っぽい。」



それだけ言うと、アクセルをベタ踏みする松。





…マジで?
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