なんでも屋 神…第一幕
俺もスウェットに手を突っ込み、取り出したベレッタを坊主頭に向ける。



坊主頭の手には、黒く輝くトカレフが握られてあった。



坊主頭とお互いに銃を向けあっていると、青いスポーツジャージを着ている運転手のチビも、同じくトカレフを抜いて俺に向けてくる。



状況は完全に不利だ…二つの鈍く黒光りする銃口は、俺に死の恐怖を鮮烈放つ。



…悪魔に口付けされたように、一筋の冷たい汗が背中に流れる。



三人共顔色を変えず睨めあう。俺が坊主頭にベレッタを向けている為、チビの方は少し顔に余裕がある。



…最初に顔色を変えた者が、真っ先に撃たれるだろうと予感した。




一秒が長い…世界から取り残されたように固まる三人。
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