time
―ガラっ―
「おぉー東野。もう来たんだ、早いじゃん」
眠そうな顔をして海斗が一人座っていた。
「海斗こそ早いね!!」
「なんか教室にいても暇で。一人でいたら眠くてさぁー。東野が来なかったら俺、爆睡してたかも」
海斗は微笑み窓の外を眺めた。
外は、下校時間を過ぎているため
静かな時間がゆっくりと流れていた。「今日で係り会も終わりだね。」
「そうだなー。なんか俺たち大変だったよな。」
「うん。でも、やって良かった」
海斗のほうをしっかり向いて言った。
でも、海斗は外を眺めたままだった。
「せっかく頑張ったんだから、楽しもうな。」
「うん・・・」
今まで横を向いていた海斗がふと
こっちを見て、
「だって、美絵・・・楽しい思い出作りたいんだろ」
そう言うとまた、横を向いてしまった。
海斗は、私の話ちゃんと聞いていてくれたんだ。
短い時間の自己紹介、
あの一言をちゃんと聞いて覚えていてくれた。