ブラッティ・エンジェル
 今日はデートにはもってこいの天気だった。
 今日はサヨに仕事のない日で、望と街にいた。あ、おまけのユキゲも。
 サヨの容姿は、やはり目を引くのだろう。時折、周りの視線を感じる。
 サヨは慣れているようだけれど、望はまだ慣れていないようで、視線に少しビクビクしている。
「街に来たのはいいけどよ~、どこ行くんだ?あて、あんのかよ」
「ん~。あ!モールとかは?女の子が行くって言えば、そういうとこじゃない?」
「もーる?なにそれ?」
サヨの発言に望は目を丸くした。
 それもそのはず。女の子の休日の過ごし方、デートなんて、ショッピングだとかそうゆうイメージだろう。
 それなのに、目の前にいる少女は、その存在すら知らないとは。
「ショッピングモールだよ。買い物しないの?」
「買い物ぐらいするよ!でも、あそこがそんな名前だったなんて…
 世の中、まだまだ知らないことが多いなぁ」
なんてサヨは真剣に悩み出す。
 それを見ていた望が声をあげて笑いだした。
 突然のことで、目を丸くするサヨ。
 更に、周りの視線が集まってさすがのサヨも、逃げたくなった。
「何がそんなにおかしいのよ。ほら、早く行くよ」
グイッと望の腕を引いて、歩き出す。一刻も早く、この視線から逃げたい。
「だって、真剣に考え出すんだもん。おかしいだろ」
「なんですって!そんなに人が考え事してるのが、おかしいの?」
「だってさ~。ねぇ」
「いや、オレしらねぇし。つか、お邪魔なようだから、帰るわ」
同意を求められたユキゲは、逃げるようにそそくさと人混みの中に消えていった。
 捕まえようと伸ばした手は、むなしく宙に残された。
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