ブラッティ・エンジェル

満開の桜

 ヒナガがいつ来るかいつ来るか、毎日毎日そわそわして待っていた。
 そのくせ、いざ来ると態度が素っ気なくなる。
 それでも最後にヒナガは「また来ます。次もカプチーノお願いしますね」っと、可愛く微笑んでくれた。
 さすがに知り合いも俺たちの仲を怪しんで、からかってくる。別に、そうゆう気持ちがない訳じゃなかったけど、なんか言われると否定したくなる。
「この前、そのお店のケーキがとってもおいしいって聞いたんです」
「へー。今、人気だよな、その店」
「はい。コーヒーもおいしいそうですよ」
「ふーん」
俺はカップをカチャカチャといじっていた。何の意味もなく。
 落ち着かないときの俺の癖だって、言われなくともわかってる。てか、言うな。
 わかってるんだって、アイツを気にしてるって。でも、どうしてもそれを口には出来なかった。そうすることで気持ちが伝わる。でも、どうしてか取り返しがつかないことになる。それも、悪い方向に。
 そんな予感ばかりがよぎって、俺はいつも何も出来なかった。
 話は途切れてしまった。気まずそうにヒナガがコップに口をつける。何かを待っているように。それがなかなか来なくて、残念がっているように。顔が仕草が態度がオーラが、とにかく全てがそう語っていた。俺の勘だが。でも、俺の勘はなかなか当たる。
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