60年後のラブレター
第三章 決行
僕はこちらのコンビニの時間帯を把握している。彼女は昼から夕方までだからね。僕はコンビニを除いた。そこには、彼女がいた。俺は、ガッツポーズをした。こぶしを握りしめて。僕は、コンビニが見える近くの場所でタバコをふかしながら彼女が仕事を終えるのを待っていた。ちなみに、タバコの種類はラッキーストライクだ。名前が気に入っているので。なんてったって、幸運の中心だからね。
おっと、彼女がコンビニから出てきた。よし、もうじきこちらに来るぞ。えっ、なんでって思うかもしれないが、実はこの道しかないからさ。僕は自分の頬を両手で叩き気合を入れた。彼女と俺との距離は50メートル、40メートル、30メートル、20メートル10メートル。よし、いくぞ。
「あ、あのすいません」
僕は彼女の右斜め前に立ちはだかった。え、なぜかって、この立ち位置が一番いいと本にかいてあったんだ。受けいりでもなんでもいい、使えるものは使わないとね。だって、分かんないから、今まで漫画とかドラマとかでしか恋愛なんて見たことないからね。よくいうだろ、当たって砕けろといや、砕けてはだめだけどね。
「え、は、はい?」
彼女は戸惑っていた。というか怯えていた感じもあったと思う。だって、いきなり見知らぬ人が立ちはだかっているんだぜ。しかも、女、子供ではなく、見知らぬ成人男性だから。俺だって正直怖いよ。知らない人が声をかけられたから怖いよ。正直怖いよ。道を聞かれても怖いよと思うのに。会社でも人と話すのは苦手だしね。変な人と思われるかもしれないが言う。
「あなたが好きです・付き合って下さい」
「えっ・・・・・」
彼女は目が点になっていた。それと同時に僕は全身が震えていた。頭の中が真っ白というか、もやもや、んーとにかく、あーわかんないが、興奮している。そう、そう、振動がドキドキ、まるで全速力で走った後見たくなっていた。体験した人しか分からないと俺は思う。
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