G i f t ~ギフト~
手を繋いだまま彼は私の耳元へ顔をずらす。


「ここでキスしたら怒る?」


(またぁ?)なんて思いながら彼の方を向くと不意打ちにも軽くキスされた・・・。


「ふっ・・・」


鼻で笑う彼が無性にも私を苛々させた。


『しばかれたいの?』と冷たく彼に囁いた。


「違う意味で俺をしばいたら?」


恥ずかし気もなく言う彼に私が恥ずかしくなった・・・。


朝の出来事を思い出し顔を俯けたまま前を見れないでいた。


「やっぱり、スカート似合うよ!可愛い」


チラっと彼を見ると私の好きな彼の笑顔でそう言われた。


きっと彼はどんな事をしたり、言ったりすれば私の機嫌が直るか分かってるのかもしれない。


それだけ私は『単細胞』なのかもしれない・・・


昔から彼にはそう言われてた。


『ふんーだ』と少し可愛いふりして口を尖がらせた私。


彼は私の前に来て「機嫌直せよ」と言いながら私の頭を優しく撫でた。


彼の大きな手が私の頭を覆いかぶさる。


彼が頭を撫でるたび私と同じ香水の匂いが鼻を擽る。


「さぁ~て!」と言いながら彼はゆっくり歩き始める・・・。






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