G i f t ~ギフト~
「そろそろ帰っか?」


『だね』


兄貴に「バイバイ」って言って墓を後にした。


『この辺。樹に止められたの!』


「げっ!マジ?」


辺りをキョロキョロしてる彼。


此間、誰かにぶつかったと思って立ち止まった場所。


今日は何事も無い・・・


『今日は出てこないなぁ?ま・・・昼間だから?』


「・・・霊は夜って相場が決まってんだよ!」


怖がってるのか少々切れ気味で話す彼。


そのまま何事も無く車へ。


『数えちゃう?』


兄貴の煙草の箱を横に振って彼に聞く私。


「や・・やめとけ!減ってたらヤバイっしょ?」


ニヤッと笑って私は箱を開けた。


「だぁ~~~。やめろって!!」


ハンドルに顔をうずめて叫ぶ彼。


『1、2、3・・・11、12・・・・・・・・・・・っ・・』


そこまで数えて箱の上蓋を閉めた。


「ちょ?ちょ??それ・・・ってそうなの??」


頬の筋肉をひくひくっ言いながら聞いてくる彼。


『・・・またしても、冥土の土産持って行かれたかも・・・』


「げっ!!」と言って急いで車のエンジンをかけアクセルを踏み込む彼。


ちょっと意地悪しすぎた?かな(笑)
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