G i f t ~ギフト~
私と彼は墓前に座り込んで昔の・・・兄貴と触れた日々を思い出して話した。


「樹は今でもお前の事好きでいんのかなぁ?」


『なっ・・・ないっしょ!あっちでハーレム作ってるわ!』


「そっかなぁ?」


その前に、私は兄貴に「好き」だなんて言われた事ない。


そんな風に思ってる事さえ知らなかった。


彼に再会するまでは。


「樹はなぁ・・・死ぬ前までお前の事気に掛けてたよ?俺・・・説教されたもん」


『そっかぁ?春人はいつも樹に説教されてたなぁ!!』


「まぁな。アイツの口癖」


「『 気張れ 』」


彼と見合わせて「ぷっ」って笑った。


関西人のオヤジを持った兄貴。


そのせいで関西弁と地元の訛りで変なしゃべり方で、私達もそんな兄貴に影響されて言葉も移った(笑)


今でも変な関西弁が抜けない・・・。


でも、別に直そうとも思わない。


だって・・・いつでも繋がってられる様な気になるでしょ?


彼だってそう。


一時期直そうと頑張ったけど結局無理なんだよね。


標準語なんて一生しゃべれないと思うよ。私達(笑)


兄貴!私も彼もこれから先・・・『気張って行くで!!ぎょうさん気張るでぇ~~~!!』


空の上に居る兄貴に聞こえる様に・・・


彼と一緒に兄貴に向かって叫んだ。
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