G i f t ～ギフト～
彼の携帯
翌日、バイトを終えて彼の部屋へ来た私。


昨日は、何件も彼からメール、着信が来てた。


電話には出なかったけど一応メールは返してた。


ピンポーンーーーー


（ん･･･。彼の顔見るのちょっと怖いなぁ･･･）


ガチャッ


「いらっしゃい」


いつもの彼の笑顔。彼の匂い。変わらない出迎え･･･。


『よぉ！仕事どうだった？』と靴を脱ぎながら彼に何気なく聞いてみる。


「･･････」


彼は私が靴を脱ぎきる前に抱きしめてきた。


そして･･･いつもの様に唇を重ねる。


心では（シ･･･シカト？）なんてツッコミながら彼の髪に触れながら彼の唇を味わった。


「お前だけ愛してる」と唇を離したほんの数秒の間に彼は私に言ってまた唇を重ねた彼。


（だけ？）


彼のその言葉で昨日の女の人が私の頭の中を駆け巡った。


玄関で抱きしめてキスなんていつもの事だけど彼の言葉に違和感があった。


（昨日、樹に気張れ言われたばっかりや。沈んでどうすんじゃ！）


勝手に心の中で1人ツッコミして彼から離れてリビングに向かった。
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