G i f t ~ギフト~
物置からでっかいダンボール箱を取り出しそろそろこの季節もやって来たと鼻歌交じりに箱を開ける。


去年は『寂しいなぁ』なんて思いながら飾りつけしたクリスマスツリー。


彼と再会して1年経ったんだ。


去年はツリーを飾りつけした数日後に彼と再会したの。


まだ飾りつけしてない『もみの木』はとても殺風景でまるで自分みたい。


私が彼に飾りつけされたように今年は私がこの『もみの木』を飾りつけしようかな。


『店長・・・。暇なら1人でやってもいい?』


もみの木を指差して店長に聞いてみた私。


「あぁ・・・。構わないけど。お前のセンスで大丈夫?」とニヤつきながら答える店長。


『ひどっ!出来たらビックリさせたるわ!』


「はいはい」と手をヒラヒラさせて倉庫から出て行く店長。


そんな店長の後姿に『べーッだ』とあっかんべーをする私。


『さ~て』


雪ダルマに靴下、ステッキにクッキーマン、プレゼントBOXに星、雪に見せる綿、丸い鈴。


見てるだけで世界が変わった。


『今年はどんなクリスマスかなぁ』なんて彼との甘いクリスマスを想像して黙々と飾りつけをする私。


鼻歌交じりに夢中になってたら私のズボンの後ろのポケットに入ってる携帯が震えて私を呼んでいた。


急いでポケットから携帯を取り出し相手を確認すると彼の弟からだった。


『もしもし?』


「ねーやん?俺、伸也だけど・・・」


伸也の口調がいつもと変わってなくてホッとした。


仕事で彼に何かあったのかと思って、ちょっと怖かった。


『どうした?』


「今日、時間ある?相談があんだ。かなり重要!」


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