チャットは運命 【実話】


実梨ちゃんと会話を交わさないまま

1ヶ月が過ぎようとしていた。

もうすぐ、学校行事の陸上記録会

というものがあって、放送委員は

アナウンスなどの仕事があるそうだ。

西崎秀と一緒に仕事が出来る。

私は楽しみだった。

そして陸上記録会前日。

私は寄り道もせずすぐに家に帰ろう

とした。

「ねぇ」

下駄箱で靴を履き替えていると

後ろから誰かに声をかけられた。

「ん?」

振り返ったそこには実梨ちゃん。

私は別に実梨ちゃんを

恐れているわけではない。

でもそのときは身の毛もよだった。

「久しぶり♪今日ヒマかなあ?

私ん家おいでよ!」

どうして?

1ヶ月も話さなかったじゃん。

いきなりこんなのおかしい。

「・・・」

私は返事が出来なかった。

「どうしたの?

今日用事あった?」

「え、や、ないけど・・・」

このとき、あると言っておけば良かった。

「そっか!良かった。

じゃあそのまんまうち行こ♪」

私は実梨ちゃんと一緒に

歩き出した。

この子は私のことをどう思って

いるんだろう?

私のこと嫌いじゃないのかな?

もしかして、ひどいこと

されるのかな?

聞きたいことはたくさんあった。

でも何も聞けないまま無言で歩く。
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