-roop-
「っとに風邪ひいちまっても知らないからなー?」
私の髪をタオルで乾かしながらそう言う誠さん。
すぐ後ろに感じる愛しい存在。
タオル越しに伝わる大きな手の温もりと、頭から降ってくる低い声が、どうしようもないくらい心地良かった。
遠慮がちでもなく、怯えることもなく触れられることが…嬉しかった。
「明日もだいたい6時過ぎくらいに帰って来るからさー、それから行こうな、海!」
上から響く誠さんの明るい声からは
さっき私が
海での結婚の約束を知っていたことで気まずい雰囲気になってしまっていたことを
全然感じさせなかった。
無理させてるのは分かってる。
でもその優しさが…嬉しかった…。
「……うんっ」
ふと私に触れる誠さんの手の力が弱まる。
「よしっ、乾いたっ」
誠さんが両手で軽く私の肩を叩いた。
え…もう……?
身体を離れた温もりに切なさが増す。
「おっ、俺の髪も乾いてるわ!」
自分の頭に乗せたタオルを取って、無邪気にそう笑う。
二人の時間が……終わる…
雨の中抱きしめてくれた温もりが…