-roop-
「…とりあえず座ったら?それじゃ話しにくいでしょう?」
「へっ?…あ、ああ…」
この体が…肉体ではなく…精神体…?
私は何かを疑うように、恐る恐る体を起き上がらせる。
すると、まるで私が体を起こそうとしたのを察知したかのように、体を支えていた霧がその動きを後押ししてきた。
はっきりと形としてベッドのような物があるわけではないし、どこに重心を置いたらよいのか分からなかったけど、
白い霧が…
滑らかに私の背中を起き上がらせてくれた。
私も彼女と同じように透明なソファーに腰かけた状態になる。
まだ彼女のように自信たっぷりにとはいかないけど、いくらか緊張しつつもそのソファーの揺れに身を預けてみた。
「…うん、こっちの方が話しやすいわね。」
彼女は少し微笑みながら、また煙草を握り潰した。
もちれん開かれた手の平には何の形跡もない。
まるで
そこには煙草なんて初めから存在していなかったかのように。
その不思議な現象を再び目の当たりにして、私は本題を思い出した。