地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐




遠くで、授業開始のチャイムが鳴る。



たった10分の休み時間



しかし、その10分で


あたしの世界は真っ黒に染まった。





お弁当の包みを握り締める。


「……今日はフツーのお弁当作って来たのに…な…」


陸が好きなものばかりを詰め込んで………


ハンバーグにきんぴら、卵焼き…

青菜のお浸しに、プチトマト…



『野菜食ってない』って、電話で言ってたから…野菜多めにした。



「これも要らないこと?迷惑だったのかな?」



“キモい”


好きな人から言われるのって……

本当にキツイ………。










そのまま…あたしは屋上で泣き続けた。
















陸の身に起こっていることには、全く気づかずに……
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