空色幻想曲
「で……何か?」

「おお。ちと頼みがあるんじゃが構わんか?」

 ……と、この場では話しづらいことなのか、鍛練場の外に出るよう促した。
 後に続こうとしたとき、奇妙なものを見るような顔で

「あのダリウス殿と知り合いなのか。君は……何者だ?」

 問われて気づいた。レガートだけでなく、近場でやり取りを見ていた数名の隊員たちも茫然としていた。

 ダリウス殿はそれなりの地位を持つ人だ。平民の俺と接点があるなんて不思議極まりないことだろう。
 俺は不敵に笑って返す。

「ただの騎士さ。王女を護る……な」
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