ご主人サマにはヒミツの執事Romantic X'mas!
うわぁ…雪…雪だわ!
そう思った瞬間、わたしの気分は上々になる。
雪を両手ですくって、立ち上がり様に上へと舞い上げる。
「見て!キサラギ!雪よ!」
後ろに居るキサラギへと、笑顔で振り向く。
キサラギは笑顔を返し、そしてわたしへと一歩近づく。
それから、わたしの両手を、自分の両手で包むようにして握った。
突然のことで、わたしは驚いてしまって、されるがまま。
キサラギは自分の手の中にあるわたしの手を見つめる。
伏し目の長い睫毛が、キサラギの白い肌に影を落とした。
……美形執事め…。
「お嬢様。素手では、しもやけになってしまいますよ?」
「し、しもやけ…?」
「赤くなって、腫れてしまうのです。申し訳ありません。手袋をお持ちしますね」
キサラギはそう言って、わたしの手をゆっくりと離そうとする。
――あ。