魔の棲む森と神の居ます島

旅立ち

フェンムー「やっぱりここにくると気持ちが落ち着くなぁ。」

村外れにある大樹である。
フェンムーはここで泣いていたのを、長老に拾われ育ててもらったのだ。

長老「フェンムー、またここに来ていたのか。」
フェンムー「お父さん。」
長老「いくつかの村が魔物に襲われたと聞いている。ここは、神の加護のおかげで無事ではあるが、やはり村人も不安がっている。」
フェンムー「わかっています。」
フェンムー「だから、今相談していました。どうしたらいいのか。」
長老「オルガはなんと言っている?」

オルガとは、大樹のことである。フェンムーがそう名づけたのだ。

フェンムー「今、世界が悲鳴を上げていると。ここに居る仲間(魔物)は、大陸に渦巻く邪気には触れてはいないから、安心だと。」
フェンムー「かえって村から出すほうが、危険だと思います。」
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