禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「さて、何があったのか聞こうか。」



左端のイスに、ドカッと腕組みしながら晴沢が座って。



英里奈は、あたしを真ん中のイスに座らせた。



「家出と関係あるの?」



神妙な顔をしてる英里奈。



「…関係あるって言うか…。」



ここまで来ても、歯切れが悪い。



だって、母親は殺人者です。



なんて言いたくない。



「話したくないなら、多くは聞かないよ。」



フゥ~っと、晴沢がため息をつきながら顔を逸らした。



「それは、私も一緒だけど…宮埜さんの事だけが…。」



好きな人の結婚相手だもんね。



気にならないはずはないよ。



…でも、自分でもどうしたらいいのか?

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