禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
どうやって話したらいいのか?



分からない。



「じゃあさ、神楽さんとはどうなってるんだ?」



晴沢の視線だけが、あたしの顔に向けられてる。



「……音信不通。」



それが答えられる全て。



「音信不通!?冗談でしょ?」



切なそうな顔の英里奈が、急に顔をあげてビックリしてる。



「本当に。音信不通なの…3日前から。」


「3日前って…あの電話の日でしょ?だったら、あの電話は?」


「神楽でしょ。」



確信なんかないけど。



そう考えなければ、つじつまが合わないから。

< 134 / 341 >

この作品をシェア

pagetop