禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「本当の母親?」



晴沢が少し驚きながら返事した。



「うん。…ほら、4日前に、宮埜と3人で遊びに行くはずだったでしょ。門の所にいたんだ。」


「あの人!?だから、急に奏凛が帰っちゃったんだ。」



英里奈がビックリしてあたしを見た。



「そう…。」



そこから、あの日の話をした。



神楽に家に来たこと。



それから神楽の様子がおかしいこと。



母親と一緒にいたくなくて、宮埜の家に飛び出したこと。



宮埜との約束。



母親の爆弾発言。



英里奈は驚いた顔をして聞き入ってる。



晴沢の表情は、何も変わらない。



「…なぁ、どうしてそこまで母親を嫌うんだ?」



不意に、晴沢が聞いてきた。

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