禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
英里奈の辛そうな顔を見てるのもイヤだ。



もしかしたら、英里奈なら何か知ってるかもしれない。



あの母親の話も気になるし、神楽がなんて宮埜に電話したのかも気になる。



あたしの中の、引っかかる何かの糸口になるかも。



この2人なら信じても大丈夫…だよね?



「……あたしの、本当の母親が現れたの。」



ゆっくりと話し始めた。



話し始めながら、自分の中に覚悟を決めるように。



言葉を選びながら。



殺人者の娘なんて言ったら、この2人でもあたしを嫌いになるだろうから。

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