禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
だって、3人で暮らすって母親は言ってた。



神楽が父親のはずがない。



グッとかみ締める唇。



神楽の隣で微笑む母親。



ガラスみたいに、パリンッて音を立てて割れて崩れたみたい。



突然、目の前が真っ暗になって。



それなのに、涙すら出てこない。



「見なくていいから…こんな現実。」



耳元で聞こえる、優しくて温かな小さな声。



いつの間にか、晴沢が抱きしめてくれてた。



その腕の中で、あたしは産まれて初めて大粒の涙をこぼしながら。



過ぎ行く時間を忘れるくらい、泣き続けてた。















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