禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「ごめん。オレが変に気を使ったから…。」



優しく抱きしめてくれる。



跳ねのけることもできない。



うつむいて、肩を震わせながら泣くしかできない。



「もう…いいの。」



震える声でポツリとつぶやいた。



今の神楽の気持ちが、これでハッキリと分かったから。



何だかんだ言ってても、神楽はあたしをもう好きじゃないって。



あたしが好きでいて欲しいだけで。



勝手に神楽も好きでいてくれると、思い込んでただけ。



「今日は学校休んで、奏凛ちゃんのやりたい事をしよう?」



優しく頭を撫でてくれる。


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