禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「いいでしょ?たまの息抜きくらい。」



少し窓を開けて、タバコに火をつけた。



「神楽は知ってるの?」

「知るはずないでしょ?あたしはお人形だから。」



フッと鼻で笑った。



「人形ね…。そうにも取れるな。」

「そうにもって?だいたい、あたしは施設から引き取られた理由が分かんない。一緒にお風呂に入りたいだけ?」


「まだ一緒に入ってるのか?」



少し驚いてる。



当然でしょ。



高校生にもなって、一緒にお風呂に入ってるなんて。



「うん。朝、髪をとかすのと、夜一緒にお風呂に入るのは日課。」

「それだけ?」


「それだけ。他に何があるの?」

「ほら…大人の事情。」


「ない!!ない!!」



引き取られた時は、そうかと思ったけどね。


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