禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「あの神楽がね…。」

「なに?あの神楽がって?」


「3拍子揃ってるだろ?顔も金も地位も。」

「だから?」


「寄ってくる女は数知れず。昔は片っ端から手を出してた。」

「ふ~ん。宮埜みたいに?」


「失礼だな。」



そう言ってるけど、笑ってる。



本当のことだから。



「あたしの知ってる神楽は、仕事以外に興味ない人。」



朝髪をとかして、夜には帰ってきて一緒にお風呂に入って。



その後は、自分の部屋で寝てるだけ。



その姿しか見たことがない。


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