禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

「そんなんじゃない!!」


真剣な宮埜の目が、本当に好きだったんだって証明してる。


「だったら、どうして簡単に認めるの?」

「それしか選択肢がないんだ。」


「そんなことない!!どうして…どうして2人で逃げないの?全てを捨ててでも、一緒にいたいと思わないの?」


涙が止まんない。


「逃げる?」

「誰もいないところに、逃げればいいじゃん!!」


…あたしもそうして欲しかった。


たとえ血が繋がった親子だろうと。


罪な愛だろうと。


連れ去って思いを貫いて欲しかった。


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