禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
■冷酷な運命■

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息を切らせながら。


ただ走り続けた。


バタン!!!


大きな音をさせながら、リビングのドアを開けた。


「あら、忘れ物?」


少し驚いた顔をしながら、のん気にウェディングドレスのカタログを見ながら、母親がソファに座ってる。


「全部、アンタのせいよ!!!」


グッと母親の胸倉を掴みあげた。


「冗談言わないで。」


勝ち誇ったかのような口元の笑みが一層イラ立たせる。


「アンタのせいで、みんなグチャグチャになったんじゃない。今すぐ消えてよ!!」


「無理な相談ね。だいたい、宮埜さんの家だって、良家のお嬢様を探していたのよ?一般人の高校生が、所詮、遅かれ早かれ別れるんだから。早い方が、傷は浅くて済むでしょ?」


よく、笑って話せるよ。


人の気持ちを何だと思ってるわけ?

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