禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「あの…。」
視線が冷たくて。
言葉が出てこない。
「誰に断ってここに来た?」
ジッとあたしを見る目。
今まで向けられたこともないくらい。
まるで、氷のように冷たい。
「ごめん…ただ…。」
確かめたくて。
母親のお腹の子供の話を。
愛してるって言った事実を。
「ただ、何だ?」
声でイラついてるのが分かる。
「確かめたくて。」
怖いけど…
確かめないと、納得できないから。