禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

「確かめる?宮埜のことか?」


やっぱり…。


神楽はあたしを手放した。


…だけど。


聞きたいことは、それだけじゃないから。


「…違う。」


怖い。


もし、母親の話も本当だったら…。


答えを聞くのが怖くて。


必死に頭の中で、言葉を探してる。


「だったら、早く用件を言え。目障りだ。」


息が出来ない。


苦しくて。

痛くて。


…甘い幻は。

< 289 / 341 >

この作品をシェア

pagetop