禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
■憎しい人■
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時計は夜9時を回ってる。



本当に今日は、神楽は遅いんだ。



1人で居たくなくて…



苦しくて仕方ない。



夕方会った母親。



やつれてたけど、あれはあたしの母親だ。



何かにさらわれそうな感覚が、心だけじゃなくて。



体まで蝕(むしば)んでる。



寒くもないのに、体が震えて…。



窓の外から車の音が微かに聞こえて。



急いで神楽の部屋に走った。



コンコン…

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