恋愛ごっこ
早足で廊下を歩いていると、

「三浦君のこと中学のときからスキでした!!よかったら、

 付き合ってください!!」

階段のところで女子が三浦潤に告白していた。

(あの人は確か同じクラスの坂本さんだ。困った。通れない。)

ひかるは告白が終わるまで隠れて待っていることにした。

「ごめんね。君の事は恋人とかそういう目では見られないんだ。」

「そう・・・ですか・・・。ありがとうございました。」

いい終えると同時に全速力で走っていってしまった。

(終わったか?)

ようやく帰れると立ち上がろうとすると、

「人の告白を盗み見るなんて、失礼にもほどがあるな。」

顔をあげるとそこには三浦潤が不機嫌そうに立っていた。

「盗み見ていたわけではない。たまたま通っただけだ。」

「座ってたじゃないか。」

「むっ・・・・それは・・・告白をしている前をのこのこと通れないだろう!」

(ついムキになってしまった。)

「俺的には通ってほしかったね。あいつが振られるところをおまえが見て
 
 あいつが傷つけばおもしろかったのに。」

「・・・・・!!」

(何を言っているんだこいつ。)

「女なんてやさしくすればすぐ着いてくる。」

パチンッ

気づいた時にはもう遅かった。

ひかるは三浦潤の頬をおもいっきり叩いていた。

「ふざけるな!!何がやさしくすれば着いてくるだ!!女を甘く見るな!!

 私がおまえに本当の恋愛というものを教えてやる!!女がそんなに

 軽い生き物では無いということを身をもって教えてやる!!覚悟しとけよ!」

こんなに怒ったのは久しぶりだった。なんだかスカッとした。

「残念だけど、君には興味がないし教えられる筋合いもない。」

「もう遅い!相手はおまえに決めた!!」












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