恋愛ごっこ
放課後・・・

清水君と二人で教室で黙々とホッチキスでプリントをとめていた。

(二人きりになれたのに。)

ひかるは一番最初に目をつけた相手とせっかく二人きりになれたのに

最初の一言が出なくて困っていた。

(なんて話かければいいんだ・・。うざい女なんて思われたくないな。)

「どこ中出身??」

「・・・・!!」

いきなりの質問に驚いた。

「A中。」

「A中かぁ。A中って頭いいんだよね。相沢さんも頭よさそう。」

「そんなことない。」

「そうなの?でも男子たちが相沢さんのこと頭よさそうでクールで
 
 かっこいいって行ってたよ。」

「そう。」

(何をやっているんだひかる!そんな素っ気無い返事では会話が続かないだろう!)

緊張してつい気の強よそうなことをいってしまう。

「まぁ同じクラス委員になったんだし、仲良くやろうよ。」

「・・・・・うん。」

そのあとは清水君の中学時代の話や元カノの話、家族の話などを

一方的に聞かされた。

(清水君ってよくしゃべるな。)

ひかるはただ黙って聞いていた。

(もうちょっとおもしろそうな人だとおもってたけど、凡人だな。

 もうどうでもいいや。)

ひかるは清水君に飽きていた。

「やっと終わった。相沢さんお疲れ。」

「・・・うん。」

1時間かけてようやくプリントをまとめ上げた。

(清水君の話聞いてなかったらもうちょっと早く終わったかも。)

「それじゃあ俺がこのプリント職員室持って行くから、相沢さん
 
 帰ってもいいよ。」

「ありがと。」

窓を見ると、もう太陽が沈みかけていた。
















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