DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>

謝罪の言葉を述べるボルグにアレックスが首を傾げる。

「ボルグさん……？　何故貴方が謝るんです？」

ボルグの心境が今のアレックスには分からない。

だが、何か心が静まる感覚をアレックスは覚えた。

「いや、なんとなくな。そのうちわかるだろうさ」

苦笑気味にそう言って、ボルグは残っていた酒をあおり、テーブルへとグラスを置いた。

「苦いな……だが、美味い」

「ええ」

空になったグラスに再び酒を注ぎながらアレックスはうなづく。

「お前、もっと色んな人間とつきあったほうがいいぞ。そしたらもっと色々わかってくるってもんだ」

「自分でもそう思います」

答えながら……ボルグと話をして良かったと、アレックスは思った。