DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


「すまなかった、あの時は……何も知らずにお前を責めた……悪かったな」

全てを理解した今、ボルグにはそうとしか言えなかった。

マリウスを止められなかったアレックスも、ただアレックスを責めることしかしなかった自分も同じだ。

知らない、ということはなんと恐ろしいものだろう……

無意識のうちにそれは刃と化し。

人を傷つける。

もっともアレックスには傷つけられたという自覚すらないのかもしれない。

だが、今、実際アレックスは揺れている……

己の自己と存在に。

自分の無意識の刃もそれに影響を及ぼすひとつなのだと、そう思うと謝らずにいられなかった。



< 100 / 729 >

この作品をシェア

pagetop