DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「……そうですか」
神妙な面持ちで自分を見つめるアレックスの視線に気付き、ガーフィールドは慌てて口元に笑みを作り直した。
「それより、早いとこお前さんの探し物が見つかることを祈ってるよ」
軽くウィンクまでするガーフィールドに、アレックスの口元がフッと緩む。
「ありがとうございます」
一言そう言うと、受け取った封筒を着ている茶色いロングコートの内ポケットへしまって店の出口へと向かった。
「良い一日を」
客人を送り出し閉まるドアに向かい声をかけたガーフィールドが振り返ると、同じくそれを見送る大きな茶色の瞳がある。
「なんだ、もう朝食は済んだのか?」
声をかけられ、リリスはハッとして顔を赤らめた。
「う……ううん、おじいちゃんまだかなって思って」
顔の前で両手を振って言うその笑顔はどこかぎこちない。