DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


「……そうですか」

神妙な面持ちで自分を見つめるアレックスの視線に気付き、ガーフィールドは慌てて口元に笑みを作り直した。

「それより、早いとこお前さんの探し物が見つかることを祈ってるよ」

軽くウィンクまでするガーフィールドに、アレックスの口元がフッと緩む。

「ありがとうございます」

一言そう言うと、受け取った封筒を着ている茶色いロングコートの内ポケットへしまって店の出口へと向かった。

「良い一日を」

客人を送り出し閉まるドアに向かい声をかけたガーフィールドが振り返ると、同じくそれを見送る大きな茶色の瞳がある。

「なんだ、もう朝食は済んだのか?」

声をかけられ、リリスはハッとして顔を赤らめた。

「う……ううん、おじいちゃんまだかなって思って」

顔の前で両手を振って言うその笑顔はどこかぎこちない。



< 19 / 729 >

この作品をシェア

pagetop