DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
その晩のうちに、ジュードは食事にありついた。
胸に開いていた大きな穴。それを癒すために体力を使い、そして多分その穴の元凶のためにながらく眠りについていた身体の飢えは極限に達していた。
家族が完全に眠りに落ちたと同時に、まずは男を、そして男を貪り尽くしても足りず、女も喰らった。
子供に手をかけようとした時になって、何故かその手が無意識に躊躇い。
そして、自らの空腹がもう癒されたことに気付く。
いや、完全に満たされたとはいいがたかったが……何故か、その小さな身体を血で染めるのは気が進まなかった。
徐々に戻ってくる理性と共に、変わり果てた姿を晒す夫婦を目にし。
つい先ほど見せていた笑顔を思い出すと、少しばかり苦い思いに駆られた。
姿かたちは似ていようとも、自分は捕食者であり彼らは獲物に過ぎない。
定められた食物連鎖の掟。
本能にも裏づけられた理にもかかわらず、何故こんな思いに駆られるかはわからない。
過去を全ては思い出せないジュードに、自分自身が感じる思いの理由すらはかるきることは出来ない。
だが、もうそこに居たくは無くて。
ただただ、離れたくて。
骸と化した両親の側でまだ眠りつづける子供を置いて、洞窟を飛び出した。